ゲームエンジニアとは?種類や必要なスキル、平均年収、将来性なども解説
ゲームエンジニアとは?種類や必要なスキル、平均年収、将来性なども解説
「ゲームエンジニア」は、ゲーム業界の技術職として開発に携わる職業です。ゲーム市場は拡大し続けているため、将来はメジャーなタイトルの開発に関わりたいと考えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、ゲームエンジニアの仕事内容や必要スキル、年収などを解説します。
目次
ゲームエンジニアとは
ゲームエンジニアとは、家庭用ゲーム機やオンラインゲーム、スマートフォンのゲームなどを開発するエンジニアのことを指します。ゲームエンジニアの職務内容は、開発するゲームや担当する分野によって異なります。また、それぞれに専門的なスキル・知識が求められるため、職務内容によって必要とされる学習内容にも違いがあります。
ゲームニーズが高まっている現代では、ゲームエンジニアは今後ますます需要が高まる仕事です。
ゲームエンジニアの種類
ゲームエンジニアには、担当する分野・業務によってさまざまな種類があります。
ゲームエンジニアの種類
- ゲームプログラマー
- サウンドプログラマー
- グラフィックスプログラマー
- ネットワークエンジニア
ゲーム作成の現場では、「動き」「音」「ビジュアル」「通信環境」に役割分担し、1つのゲームを作りあげます。そのため、それぞれの領域に求められる知識や技術は異なります。
ここでは、ゲームエンジニアそれぞれの種類について解説します。
1.ゲームプログラマー
ゲームプログラマーは、ゲーム上の「動き」や「流れ」の制作を担当する部門です。主な職務内容は、ディレクターやデザイナーが用意したシナリオや演出に沿って動作するように、ゲームをプログラミングすることです。一般的に想像されるゲームクリエイターの業務内容は、このゲームプログラマーの仕事に該当します。
2.サウンドプログラマー
サウンドプログラマーは、ゲーム中に聞こえてくる効果音やBGMなどを制作することがメインの仕事です。ユーザーの興奮を掻き立てるための臨場感や没入感、クオリティの高いゲームを実現するためにはサウンドの質や動きとの連動性が重要です。加えて、サウンドプログラマーは音の「研究開発」を行うことも業務範囲に入ります。
3.グラフィックスプログラマー
グラフィックスプログラマーは、ゲーム内に登場するキャラクター、背景やエフェクト、画面のレイアウトといったグラフィックに関係すること全般を制作するプログラマーです。近年では平面構成だけでなく、よりリアルな世界観を表現できる3Dやアニメーションが主流です。そのため、グラフィックスプログラマーには高い想像力とそれを実現する技術力が求められます。
4.ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアはオンライン・オフラインを問わず、複数人で遊ぶ「通信」ゲームで必要となるネットワークの構築を行う部門です。ゲームをプレイするための使用環境・デバイスはユーザー間で異なります。ゲームのリリース後にはこの環境の違いによる問題が起きやすいとされています。
ネットワークエンジニアには、環境によってどのような問題が起こるのか、あるいはどのような対策を取るべきかを予測しながら制作できる能力が求められます。
ゲームエンジニアの平均年収
厚生労働省発表の「令和3年度賃金構造基本統計調査」によると、プログラマー(ソフトウェア作成者)の平均年収は、522万円ほどとされています。
加えて、ゲームエンジニアの一種であるゲームプログラマーを例とすると平均年収は約490万円というデータが出ています。
国税庁が発表した「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本で働く給与所得者の平均は433万円ですので、いずれにしてもゲームエンジニアの年収は、日本の平均年収と比較すると高い傾向にあるといえるでしょう。
※参考:令和3年度賃金構造基本統計調査
※参考:求人ボックス給料ナビ(2023年6月12日時点の数値です。現在の数値と差異が生じる場合があります。)
※参照:令和2年分 民間給与実態統計調査(国税庁)
ゲームエンジニアに求められるスキル・知識
ゲームエンジニアには、ゲームに関する知識だけでなくさまざまなスキルが現場で求められます。ここでは、ゲームエンジニアに求められるスキル・知識を解説します。
プログラミングスキル
ゲームエンジニアには、プログラミングに関する知識が幅広く求められます。ゲームのプログラミングといっても、プラットフォームやシステム、メーカーの方針などにより使用するプログラミング言語が異なります。
例えば、Androidアプリの製作であればJavaが主流、オンラインゲームではC++が使われるなど、シチュエーションに合わせて使われる技術は異なります。ゲームエンジニアとして活躍を考える場合は、主だった言語について学習しておくことが広く求められるでしょう。
ゲームエンジンの知識
ゲームエンジニアには、ゲームエンジンの広く深い知識が必ず求められます。ゲームエンジンとは、ゲーム開発に使うために必要な機能を備えた開発環境のことです。企業によっては、自社でゲームエンジンを持っている場合もあるでしょう。また、ゲーム開発案件ではゲームエンジンが指定されることも少なくありません。
ゲームエンジニアが転職する場合は、多くのゲームエンジンに触れたことのある経験は有利に働くでしょう。
数学・物理の知識
ゲームエンジニアを志す場合、数学や物理学の知識があれば役立ちます。近年のゲーム開発現場では、ほぼ例外なくアニメーションに関わる描写が含まれています。アニメーションに関わる業務を任された場合は、リアルな動きを表現するために力学を用いた計算を行う場合があります。
ゲームの世界とはいえ、基本を理解していなければ表現は発展しません。三角関数やベクトルなど、数学的・物理学的な知識は多くの場面で必要となることがあります。
コミュニケーションスキル
ゲームエンジニアとして活躍をしていきたいと考える場合、コミュニケーションスキルを磨いておくとよいでしょう。ゲームに留まらず、何かを作り上げる際には多くの人が関わります。互いに納得できる道を探るにはコミュニケーションが大切です。チームメンバーと協調性を高め、上司と情報を共有、そしてクライアントと交渉するためにはコミュニケーション能力は不可欠です。
多言語スキル
ゲームエンジニアとしてキャリアを積んでいきたいと考えている場合、英語をはじめとする多言語スキルを身につけておくとよいでしょう。近年では、よりクオリティの高いゲーム作成をするために、海外から技術力の高いエンジニアを開発メンバーに入れる企業が増えています。大手ゲーム開発企業であれば、その割合はより高くなることが予想できます。
そのため、チームメンバーに外国人エンジニアがいる企業では共通言語として英語が必要になるため、英語力を養っておくとよいでしょう。
ゲームエンジニアになるための方法
ゲームエンジニアとして転職するためには、ゲーム開発に関する知識の習得が欠かせません。ここでは、ゲームエンジニアになる方法と合わせて、ゲームエンジニアとして必要な知識の学習方法を解説します。
独学で勉強する
ゲームエンジニアを志す場合、まずは独学で始める方が多いでしょう。ここでの独学とは、参考書をはじめとした本や、ネット上にあるプログラミング学習サイトなどを通じて勉強していく方法です。
- 独学のメリット
-
- 時間に縛られずに、自分の好きな時間に勉強できる
- 不足している知識を重点的に学習できる
- 独学のデメリット
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- モチベーションの維持が難しい
- 不明点の解決に時間がかかる
プログラミングスクールに通う
ゲームエンジニアを目指す場合、定番ともいえる学習方法はプログラミングスクールに通うことです。プログラミングスクールでは、プログラミングに特化した専門のカリキュラムが学べます。
- プログラミングスクールに通うメリット
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- 短期間で実務レベルのスキルを習得できる
- 未経験で転職を考えている社会人にもおすすめできる
- プログラミングスクールに通うデメリット
-
- 一定の費用がかかる
- ゲーム開発に関すること以外の内容も学ぶことになる
大学・専門学校に通う
ゲームエンジニアを志す場合、大学あるいは専門学校に通うこともおすすめです。
- 大学・専門学校に通うメリット
-
- ゲーム開発の基礎を初歩から学ぶことが可能
- 幅広くゲーム開発を学ぶことで自分の得手不得手が理解できる
- キャリアパスを想像しやすい
- 大学・専門学校に通うデメリット
-
- 費用がかなりかかる
- 時間に余裕が無いと通うことが難しい
未経験可の求人に応募する
ゲームエンジニアとしての知識をある程度学んだ後は、「未経験可」としている企業の求人に応募するとよいでしょう。基本的にゲームエンジニアの業界では、過去の実績が評価される傾向にあります。一部のゲームエンジニアの求人では「業界未経験歓迎」と、ゲーム業界以外からのエンジニアを募集しているものもあります。
しかし、実際はまったくスキルがない状態で採用されるのは厳しいといえるでしょう。未経験OKの求人に応募する際は、ある程度スキルを身につけ、個人でゲーム作品をつくってみるなど、実績を積んでからがおすすめです。
ゲームエンジニアに向いている人
ゲームエンジニアへの転職を考える場合、自身に適性があるかどうかは気になるところでしょう。ゲームエンジニアに向いている人の特徴は、以下の通りです。
ゲームエンジニアに向いている人の特徴
- チームワークを発揮して仕事できる
- モノ作りが好き
- 体力や精神力が強い
- 細部までこだわりを持てる
- 知識欲・向上心がある人
ゲーム開発における知識を持っていることはもちろんですが、探究心を持って情熱的に活動できるという方はゲームエンジニアに向いているといえるでしょう。
ゲームエンジニアの将来性
現状ゲームエンジニアの需要は高く、将来性もあると考えられるでしょう。近年では、eスポーツの世界的な盛り上がり、VR・AR技術を用いたゲーム、機械学習(ディープラーニング)を組み込んだゲーム開発が注目を集めており、新たな展開も期待されています。
そのため、より一層ゲームプログラマーのアイデアや技術が求められています。ゲーム需要が高まっているということもあるため、今後もゲームエンジニアは広く求められていくでしょう。
ゲームエンジニアのキャリアパス
ゲームエンジニアのキャリアパスは、以下のようなものが考えられます。
ゲームエンジニアのキャリアパス
- ゲームプランナー
- ゲームディレクター
- テクニカルサポート
- リリースマネージャー
イメージとしては、現場の中での指揮統括にあたる役職に進む形です。ゲーム開発現場内で、より上流の立ち位置に進むことを目指すとよいでしょう。
まとめ
ゲームエンジニアは、日本の産業のなかでも注目を集め、成長しているゲーム市場の中枢になる職業です。そのため今後も需要が高まり、将来性も高くなることが期待できるでしょう。これからクリエイターとして活躍していきたいと考える場合は、ゲームエンジニアを目指してはいかがでしょうか。
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