ゲームグラフィックデザイナーとは?仕事内容や必要なスキル、年収や将来性も解説
ゲームグラフィックデザイナーとは?仕事内容や必要なスキル、年収や将来性も解説
ゲームの世界を創造する仕事への憧れから、ゲームグラフィックデザイナーを目指す人も多いのではないでしょうか。ゲームグラフィックデザイナーが担当する仕事にはさまざまなものがあり、それらを分業してゲームを完成させます。そのためチームで仕事を進めることも多く、デザイン関連のスキルだけではなく、コミュニケーション能力なども求められる職業です。本記事ではゲームグラフィックデザイナーの仕事内容や求められるスキル、関連する職種に就く方法、年収および将来性について解説します。
目次
ゲームグラフィックデザイナーとは
ゲームグラフィックデザイナーとは、ゲームの世界観に合わせて登場するキャラクターや背景、アイテムなどを作成する仕事です。目に見える全てのグラフィックを手掛けるため、幅広いスキルや知識が求められます。
またゲーム制作において重要な役割を担い、デザイナーの技術次第でゲームのクオリティが左右されるともいわれます。担当する業務が幅広いため分業することが多く、ゲームの世界観を統一できるようチーム同士でコミュニケーションをとることも重要です。チームで連携しながら、グラフィックを完成させゲームの世界観を構築します。
ゲームグラフィックデザイナーの仕事内容
ゲームグラフィックデザイナーが携わる主な仕事内容は次のとおりです。
- タイトル画面やメニューグラフィックの作成
- 背景グラフィックの作成
- キャラクターの作成
- モーションの作成
- エフェクトの作成
- ムービーの作成
各仕事内容についてわかりやすく解説します。
タイトル画面やメニューグラフィックの作成
ゲームグラフィックデザイナーは、タイトル画面やメニューに使われるグラフィックの作成を担当します。タイトルやメニューは、ゲームをプレイする人の印象に強く残る大切な部分です。担当者はタイトルが画面に映し出されるまでの演出も含めて、入念にグラフィックを作成します。
ゲームのプレイ後の楽しみや、ワクワク感をプレイヤーに感じてもらえるようにグラフィックを仕上げることが大切です。
背景グラフィックの作成
背景グラフィックの作成は、ゲームの世界観を創り上げるための大切な仕事です。大自然や建物などを作成してゲームに臨場感をもたらします。また架空の土地や構造物などを造り上げ、現実世界には存在しない世界を3Dグラフィックで演出します。
遠近表現などのスキルを駆使しながら、オブジェクトに臨場感を与えると、よりプレイヤーが楽しめるゲームに仕上がります。
キャラクターの作成
ゲームの主人公となるキャラクターや、展開に合わせて登場するさまざまなキャラクターの作成を主に担当するグラフィックデザイナーも存在します。キャラクターをデザインする担当者は、武器やマシンなどあらゆるアイテムを手がけることもあります。
モーションの作成
グラフィックデザイナーは、ゲームのキャラクターやアイテムなどの動きを専門に担当する場合もあります。静止画で作られたCGモデルに動作や喜怒哀楽などの表情を与え、ゲーム内のキャラクターを作り上げます。
エフェクトの作成
エフェクトとはゲーム内のキャラクターやアイテムなどに対して、なんらかの効果を加えキャラクターの動きにリアリティを与えることです。たとえば突風の揺れや水の波紋、キャラクターの吐息などをグラフィックで表現するとモーションに臨場感を与えられます。ゲームの世界が、プレイヤーにとってよりリアルなものに感じられます。
ムービーの作成
ゲーム内のイベントなどで発生するムービーシーンの作成も、ゲームグラフィックデザイナーが担当する仕事です。昨今は映画さながらのイベントムービーで、プレイヤーを魅了するゲームが多く存在します。
3Dグラフィックにモーションを加えたり、映像データをゲームに取り込んだりして映画のような臨場感を演出します。
ゲームグラフィックデザイナーに求められるスキル
ゲームグラフィックデザイナーには3Dテクニックなどの実務上のスキルが求められます。それだけでなく、コミュニケーション能力や忍耐力、発想力なども必要とされます。それぞれについて解説します。
3Dテクニック
現在のゲームは3Dが主流であるため、立体を美しく表現する3Dテクニックが求められます。またVRを取り入れたゲームも登場しており、現実世界がゲームになったかのようなリアルな世界を3D表現することが大切です。
コミュニケーション能力
ゲームグラフィックデザイナーはさまざまな職種の人と関わるため、コミュニケーション能力が求められます。たとえば、次のような職種の人と関わる機会があるでしょう。
- ゲームディレクター
- フォトグラファー
- シナリオライター
- 演出家
日頃はグラフィックに関わらない人とも接するため、自分の考えについて専門用語を使わずにわかりやすく説明する必要もあります。チームで動くことも多く、スムーズに仕事を進めるためにも高いコミュニケーション能力が求められます。
根気強く続ける忍耐力
ゲームグラフィックデザイナーは、細かな作業を根気強く続ける忍耐力も求められます。コツコツと細かい作業を積み上げることで、プレイヤーを魅了する世界観を構築したり、キャラクターのダイナミックな動きを表現できたりします。細かな作業を根気強く続けていくためにも忍耐力は欠かせないでしょう。
フレキシブルな発想力
ゲーム制作の進行過程で、ゲームグラフィックデザイナーには架空のものを作成する機会が頻繁に訪れます。
架空の人物やアイテムは現実世界には存在しないものです。自分で架空のモデルを創造する必要があるため、フレキシブルな発想力が求められるでしょう。プレイヤーを魅了するような独自性のあるゲームに仕上げるためにも柔軟な創造力で個性を磨き、オリジナリティ豊かな表現力を身につけることが大切です。
ゲームグラフィックデザイナーで役立つ資格
ゲームグラフィックデザイナーに役立つ資格には、Illustrator®やPhotoshop®のクリエイター能力認定試験やCGクリエイター検定、色彩検定などがあります。それぞれについて簡潔に解説します。
Illustrator®やPhotoshop®のクリエイター能力認定試験
グラフィックデザイナーが扱うことの多いソフトに、Illustrator®やPhotoshop®があります。これらのソフトを扱えることを証明するクリエイター能力認定試験に合格すると、グラフィックデザイナーとしてのスキルを備えていることの証明となります。
クリエイター能力試験は難易度に応じた受験が可能で、スタンダードもしくはエキスパートの2つから選べます。試験では、たとえば次のような問題が出題されます。
- 問題の指示に従い、新規ドキュメントから1つのグラフィックコンテンツを作り上げる問題
- 時間内にコンテンツを制作する操作スキルを試す問題
- 与えられた指示を正確に読み取り、制作物を作るような問題解決力を試す問題
ソフトの操作能力だけではなく、デザイナーとしての素養も問われます。
CGクリエイター検定
CGクリエイター検定では、CGや映像制作のスキルが試されます。ベーシックとエキスパートの2つの難易度に分かれています。
ベーシックで試される主な内容は、2次元や3次元についてのCGおよびデザインの基礎知識です。さらにCGによる静止画制作の基礎的な能力も試されます。エキスパートでは、ベーシックよりもさらに高度な知識が求められます。クリエイターの実務に関連する知的財産権など法律の理解も試されます。
色彩検定
色彩検定では、色彩に関する幅広い知識や技能が問われます。検定の難易度は1~3級にわかれており、数字が小さくなるにしたがい難易度が上がります。
3級は色彩学の基礎的な知識を試す入門検定で、2級は3級よりもさらに詳細な色彩に関する知識を試す試験です。最も難易度の高い1級は、2級や3級で試された範囲に加え、より高度な色彩に関する知識や技能が求められます。
ゲームグラフィックデザイナーになる方法
ゲームグラフィックデザイナーになるためには、まずはゲーム系やデザイン系の美術大学や芸術大学および短大、専門学校で学ぶルートが一般的です。
専門の教育機関では、デッサンの基礎を学んだり、描画ソフトの操作についての訓練を受けたりして実践に則した経験を積めます。デザインに関する経験を通して、専門性を身につけておくことがゲームグラフィックデザイナーになるための近道といえるでしょう。
さらに教育機関で学んだことを活かしポートフォリオを作成します。ポートフォリオは履歴書だけでは伝わらない技術力やセンスなどを視覚的にアピールできる資料です。ゲーム会社への就職活動には欠かせません。
ゲームグラフィックデザイナーの平均年収
ゲームグラフィックデザイナーの平均年収は、499万円です。ここでは求人情報のデータをもとに、グラフィックデザイナーの平均年収について解説します。
※参考:求人ボックス給料ナビ「ゲームデザイナー」参照
※企業が掲載する求人内の給料情報に基づいて算出されたデータであるため、あくまで参考値としてご確認ください。
平均年収は499万円
求人ボックスによると、デザイナーの平均年収は499万円で、月給に換算すると約42万円です。派遣社員の平均時給は2,000円で、アルバイトやパートは1,197円になります。
全体的な給与幅で見てみると、323〜858万円と広く、自身の能力や経験、勤務先によっても年収に大きな差がありそうです。
※上記は求人ボックス「求人ナビ」2023年6月12日時点の数値です。現在の数値と差異が生じる場合があります。
ゲームグラフィックデザイナーの将来性
世界のゲーム市場は拡大を続けています。それにともない、ゲームグラフィックデザイナーの需要拡大も予想されるため、将来性があると考えられます。
データ分析やコンサルティングを行うイギリスの企業「GlobalData」の調査報告によると、世界のゲーム市場規模は、2021年に約28兆だったものが2030年には約67兆円になるとのことです。
拡大を続けるゲーム市場で、ゲームグラフィックデザイナーが活躍する場もより広がることが期待できます。
※参考:GlobalData
まとめ
ゲームグラフィックデザイナーは、ゲーム制作の工程の中で担当する業務が幅広いため、分業をして仕事をすることが多い職業です。そのため、実務関連のスキルだけではなく、コミュニケーション能力や担当業務を完遂する忍耐力なども求められます。
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