ゲームエンジンUnreal Engineとは?性能や何ができるかをUnityと比較して徹底解説

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ゲームエンジンUnreal Engineとは?性能や何ができるかをUnityと比較して徹底解説

ゲームエンジン「Unreal Engine」とは?その性能や何ができるかを「Unity」と比較しながら徹底解説

「Unreal Engine」は、「Unity」と並び世界中で多くの人に利用されている代表的なゲームエンジンです。ゲームクリエイターを目指す方であればUnreal Engine を知らない人はいないほどの知名度を誇り、数々の有名なゲームがUnreal Engineで開発されていることから、ゲーム業界を目指す方であればUnreal Engineはぜひ押さえておきたいものです。

今回は、ゲームエンジン「Unreal Engine」の特徴や機能、何ができるのか?といった点や、「Unity」と何が大きく異なるのか?について詳しく解説していきたいと思います。

目次

Unreal Engineとは?(機能・性能など)

Unreal Engineとは、アメリカの企業Epic Games社によって開発されたゲームエンジンです。ゲームエンジンとしては世界No,1シェアを誇る「Unity」に続き、No.2のシェアを誇っています。

ここで簡単にゲームエンジンについて触れておくと、ゲームエンジンとはゲーム内における映像・音響などの処理を行う際に業務を効率化するプログラムを言います。一からプログラミングを行わなくても、ゲームエンジンが必要となるプログラムを提供してくれることから、プログラマーのミスを減らすだけでなく、ゲーム開発を非常に効率的に進めることが可能となります。

つまり、Unreal Engineを使えばゼロからプログラミングを行わなくてもゲームエンジンが提供するプログラムを利用してゲーム開発ができるという点が最大の特徴と言えるでしょう。

ゲームエンジンとして紹介されることが多く、ゲーム開発でのみ使用されるものという印象が強いですが、実際には3DCG制作ソフトとして映像制作などにも活用されており、自動車メーカーや建築業界でもモデリング制作、ビジュアライゼーションに使用されています。

またUnreal Engineは無料で利用できるゲームエンジンであり、個人や学生でも無理なくゲーム開発がスタートできる点は魅力的です。

最新バージョンUnreal Engine 5の新機能

Unreal Engineはバージョンアップを重ねたのち、2022年11月現在では最新バージョンの「Unreal Engine 5」(略して「UE5」とも呼ばれている)として展開されていますが、どのような機能がUnreal Engine 5に備わっているのでしょうか。

Nanite(ナナイト)

Nanite(ナナイト)はUnreal Engine5に実装された新しい機能で、「仮想化マイクロポリゴンジオメトリシステム」と呼ばれる高性能なシステムです。新しい内部メッシュフォーマットとレンダリングテクノロジーを活用し、ピクセルスケールのディテールと多数のオブジェクトをレンダリングすることができます。
これまでのUnreal Engine 4と比べて、ポリゴン数の制限を気にせずリアルタイムに高密度なオブジェクトを扱うことが可能です。また、より精度の高いジオメトリックディーテールを含んだゲーム制作や、キャラクター制作を可能にするほか、映画品質の数百万ポリゴンのソースアートを直接インポートして数百万個のアセットを配置したとしても、見た目を損なうことなく忠実にリアルタイムのフレームレートを維持できる点がポイントです。

Lumen(ルーメン)

Lumen(ルーメン)は、動的なグローバルイルミネーションや反射をリアルタイムで計算できるシステムで、シーンとライティングの変更に素早く反応します。これにより、例えば太陽の角度変更や懐中電灯の点灯、屋外のドアの開閉、外壁の破壊といったケースでは、間接光と反射に対して変更を生じさせるなどのよりリアルな光の表現が可能です。また、このLumenはUE4ではデフォルト機能ではありませんでしたが、UE5ではデフォルトで適用された状態となっているため、そのまま使うことができる機能となります。

World Partitionによりワールドの管理がしやすくなった

Unreal Engine5では、大規模で品質の高いワールドを構築するための機能がアップデートされました。このWorld Partitionシステムにより、自動的にワールドをグリッドに分割し、必要なセルだけをストリーミングすることでレベル管理がしやすくなっています。また、One File Per Actor (1アクタあたり1 ファイル) システムにより、複数ユーザー間での作業や、データの共有・管理が容易になったのは作業効率を上げるためにもうれししいポイントです。その他、Data Layers機能では、1つのワールドで複数のバリエーションを作成できるなど、機能的な制限が多かったUE4と比較すると、できることが多くなりました。

Unreal Engine 5の対応プラットフォーム

Unreal Engine 5が対応するプラットフォームは、Windows/macOS/Linuxといったデスクトップや、Xbox One/Xbox Series X/PlayStation 4/PlayStation 5/ Nintendo Switchなどのコンソール、さらにはiOS/Androidといったモバイルデバイスに対応し、コンテンツ制作を可能としています。

Unreal Engineでできる仕事

Unreal Engineでできる仕事

では、Unreal Engineを使えば何ができるのでしょうか?ここからはUnreal Engineでできる仕事について細かく見ていきましょう。

キャラクターの制作

Unreal Engineを使うことで、2Dキャラクターはさることながら、Unreal Engine内に備わっている「メタヒューマン」というツールを使うことで、リアルな3Dキャラクターの制作が可能です。Unreal Engineは3Dキャラクター制作に強みがあり、髪の毛や動物の毛といったものまで簡単に表現することができます。

また、デジタルヒューマンのデータが50人分サンプルとしてインストールされているため、一からパーツを作らなくても、さまざまなパーツの組み合わせでキャラクターを簡単に作成できます。

ワールドの構築

ワールドとは、制作したキャラクターが動く舞台となる世界のことです。ゲーム開発を行う際に絶対不可欠なワールドの構築もUnreal Engineではお手のもの。「グラスツール」や「ウォーターシステム」、「ランドスケープツール」などを使用することによって、山や川、空などの壮大な世界観を持つワールドを創り出すことができます。

また、構築したワールドを爆発・崩壊させる機能も搭載されており、さまざまなシチュエーションに適した世界の表現が可能です。

ゲームの設計および構築

Unreal Engineには「ブループリント」といったシステムがあります。これはゲームにスクリプトを視覚的に追加していくものです。基本的な動作はキャラクターにデフォルト設定されているため、それほど複雑でないゲームであればプログラミング経験があまりなくてもUnreal Engineによる設計や構築は可能です。

3Dアニメーションの編集

Unreal Engineを使用すれば、「シーケンサー」といったツールで3Dアニメーション編集も可能となります。BGMや効果音を加えてみたり、動画の尺を変更したりすることで、自分の思い通りのアニメーションを作成することができます。

外部ソフトウェアとの連動

Unreal Engineは「Maya」や「3ds Max」「SketchUp Pro」といった外部ソフトウェアで作成した3Dキャラクターをシームレス連動させて、Unreal Engine上で統合させることが可能です。

Unityとの比較

UnityとUnreal Engineは、それぞれシェアNo.1とNo.2を誇る人気のゲームエンジンでありますが、特徴はそれぞれ異なります。なかでも一番の大きな違いは、Unityが有料であるのに対し、Unreal Engineは無料であるというところでしょう。Unityにも無料プランはありますが、機能が限定されてしまいますし、企業での利用の場合には、基本的には有料プランの申し込みが必要とされています。

またカスタマイズが必要な場合にはプログラミングを行うことがありますが、その際に使用する言語について、UnityはC#、Unreal EngineはC++がメインとなります。C#よりC++の方が取得難易度は高いため、カスタマイズを行う際は、Unityを利用する方がハードルは低めです。

操作性については、Unreal Engineが高度なプログラムが数多く搭載されているため、Unityより操作が複雑です。とはいえ、使っていくうちに感覚的に慣れてくればそれほど気にするレベルではないため、不安になることはありません。

グラフィックに関しては、両者ともに優れていると言われていますが、Unreal EngineにおいてはNaniteやLumenによってよりリアルな映像世界を創出できる機能もあることから、よりクオリティが高いという評価もあるるようです。

UnityとUnreal Engineの比較データ

  Unity Unreal Engine
料金 有料プランあり(一部無料だが機能制限あり) 全ての機能が無料
主な使用言語 C# C++
使い勝手 ◎(大変良い) ○(良い)
グラフィック ○(良い) ◎(大変良い)
情報量 多い 少なめ

Unreal Engine活用の注意点

高機能でグラフィックにも定評があるUnreal Engineではありますが、活用にあたり気を付けておくべき注意点があります。

高性能なCPUを搭載したハイスペックPCが必要

これはUnreal Engineだけでなく、他の動画編集ソフトや3D制作ソフトにも同じことがいえるのですが、PCのスペックが低ければ、満足のいく開発を行うことができません。一般的なビジネスで使用するPCのメモリ容量ではゲーム開発には向きません。Unreal Engineの公式サイトでは推奨メモリは8GBとなっていますので、ゲーム開発用のPCを購入する際には8GB以上のメモリを搭載したPCを入手するようにしましょう。
ネットで検索する際は、「ゲーミングPC」というワードで探すとスペックに見合う最適なPCを探しやすいでしょう。

参照URL:ハードウェアおよびソフトウェア仕様

情報が少ない

Unreal Engineは開発者向けの情報が英語で書かれているものが多く、日本語で記載されたものはあまりありません。公式情報のチュートリアルは日本語の資料も提供されていますのでそちらを参考にすれば、開発する上で大きな問題はないと思われます。

とはいえ、Unityと比べると他のUnreal Engine開発者がどのような開発手順を踏んでいるか、どんな点に困っているかといった参考にできる情報が少ない点がデメリットに感じることもあるでしょう。

Unreal EngineとUnity、ゲーム開発するならどちらがよい?

Unreal EngineとUnity、ゲーム開発するならどちらがよい?

ここまで、Unreal EngineとUnityについての比較を交えながら、それぞれの特徴や機能を比べてきましたが、実際にゲーム開発を行うのであれば、どちらがよりおすすめと言えるのでしょうか?
実際のところは、使う方がどの点を重視するかによって変わってくるものの、グラフィックを求めるのであれば「Unreal Engine」を、コンテンツの開発実績や情報収集のしやすさを重視するのであれば「Unity」を選択するのが良いでしょう。いずれにせよ、それぞれの特性を理解した上で、自分の望む開発スタイルを実現できるゲームエンジンを利用することが求められます。

まとめ

今回の記事では、ゲームエンジンとしてNo.2のシェアを持つ「Unreal Engine」の特徴や機能、さらにはNo.1のシェアを誇る「Unity」と何が異なるのか?について見てきました。

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