作品(ポートフォリオ)
採用担当者にデザインスキル・経験をアピールする為の作品(ポートフォリオ)をまとめましょう。
クリエイター職の採用は履歴書や職務経歴書だけでは判断出来ない要素が数多くあります。
中でもデザイン職の場合は自身のデザインセンスや制作物のクオリティ、デザイン企画やディレクション領域に関わる場合は、成果物を生み出す為の制作プロセスや規模も検討要素に含まれます。
作品(ポートフォリオ)のまとめ方について
デザイナー職の選考では個々の作品だけでなく、全体のまとめ方についても判断材料となります。
キーワードやフォントの選び方、字詰めやレイアウトの余白の使い方なども力量・センスを計る基準としてチェックされますので、細部までこだわりをもって作成しましょう。
構成に決まったフォーマットはありませんが、以下の項目を参考に自身の作品にあったまとめ方の構成を検討しましょう。
■まとめ方の構成例について
表紙 | 閲覧を開始する時の第一印象が決まります。 |
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自己紹介 | 冒頭に自身の概要を伝えることで作品全体の内容理解度を深めることが出来ます。 |
目次 | 作品の数やジャンル・テイストが多い場合は閲覧者が見たい作品にスムーズに誘導することが出来ます。 |
各作品と説明 | アピールの要となる内容です。作品ごとに採用側が求める説明を記載しましょう。 |
備考 | 同ジャンルの複数作品をまとめて掲載したり、デッサンや個人作品を掲載してアピールすることが出来ます。 |
裏表紙 | 締めとして御礼やメッセージを記載することが出来ます。 |
■作品の基本的な説明について
アピールすべき内容は作品ではなく自分自身です。作品の内容と自身の担当範囲が採用担当者に伝わるように、基本的なポイントを抑えましょう。作品掲載のイメージや基本の項目については以下の通りです。
↓作品説明のイメージ

■作品説明の基本項目例
①タイトル
プロジェクトや作品の内容を一言で分かりやすく表現
②制作期間
制作に携わった期間を記載
③チーム構成
プロジェクトの規模(人数や役割分担、予算等)
④作品(プロジェクト)の概要
目的や背景、ターゲットやジャンル等を記載
⑤担当箇所
自身の職種や制作範囲を記載
⑥使用ツール
使用ソフトの説明を記載(バージョン記載等があるとなお可)
⑦主な経験(実績)
制作の意図や工夫したポイント、社内外の評価・受賞歴などを記載
作品の説明について:2Dデザイン編
2Dデザインはイラスト制作(キャラクターや背景、小物等)やUI デザイン(UIの設計やロゴやアイコン、バナーの制作)が主な掲載作品となります。
各ポイントをおさえて、自身のデザイン力やテイストの幅、経験の幅をアピールしましょう。
※2Dモーションやエフェクト等はポートフォリオ内の掲載と合わせてデモリールの用意も検討しましょう。
■2Dデザイン
↓ 2Dデザインの作品掲載イメージ

使用用途
コンセプトやジャンル
担当工程(例:ラフ→線画→着彩→完成)
制作にかかった工数(各工程に対しての目安)
使用ツール
※制作過程のイラストも用意が出来る場合は掲載しましょう。
※IP関連の作品は、版元イラストと比較掲載をすると評価がしやすくなります。
■UIデザイン
↓UIデザインの作品掲載イメージ

コンセプトやジャンル
画面遷移図
ワイヤーフレーム
インターフェース改善の工程(改善の目的→実施策、工程→改善の成果・実績)
UIの意図が伝わるようにプロトタイプなどの動的な作品を用意することもアピール方法の一つです。
作品の説明について:3Dデザイン編
一般的な3DCGデザインでは3D化する前のコンセプトデザインから始まり、モデリングからテクスチャやリギング、モーション(アニメーション)やライディング等の工程があります。各作品で自身が関わった範囲を整理して、アピールしましょう。
また動的な作品(モーションやエフェクト、カットシーン等)が中心となる場合は、デモリールの用意も検討しましょう。
↓ 3Dデザイン(モデリング)の作品掲載イメージ

コンセプトやジャンル
担当工程 (例:コンセプトデザイン、モデリング、マテリアル設定、リギング、ライティング、モーションエフェクト)
制作にかかった工数(各工程に対しての目安)
ポリゴン数
使用ツール
※映像作品の掲載について
モーションやエフェクト、カットシーン等、自身が関わった内容が映像作品が中心となる場合はデモリールでアピールしましょう。デモリールの作成ポイントは次のトピックで解説しています。
作品の説明について:デモリール編
ポートフォリオと同様にデモリール全体のクオリティも判断材料となります。映像作品を一つにまとめて説明を追加しアピールしましょう。
また、映像作品はファイル容量が大きくなるため、視聴者側にダウンロードに負荷をかけないように動画共有サービス等を活用しましょう。
↓ 3Dモーションデザインの作品掲載イメージ(動画リンクを埋め込む場合)

※作品説明の掲載箇所について
デモリールの説明については映像のタイムライン上に記載する場合と別途説明資料を準備する場合があります。
映像内の欄外や動画共有サービス等の説明欄、別途テキストファイルを用意するなど、主役である映像の妨げにならないように作品の説明を記載しましょう。
作品(ポートフォリオ)作成後のチェック項目
応募する企業や職種に応じた内容になっているか
未リリースや社外秘の内容は含まれていないか
掲載作品はアピールしたい内容になっているか(過去作品の精査や作品ジャンルのバランス等)
作品のスタイル(フォントサイズやレイアウト)は統一されているか
構成は適切か(例:時系列/職種別/実務オリジナル等)