ゲームプログラマーへの転職を勝ち取る履歴書・職務経歴書の書き方
ゲームプログラマーへの転職を勝ち取る履歴書・職務経歴書の書き方
プログラミング言語を駆使してゲームプログラミングを手掛ける「ゲームプログラマー」。ゲームの企画や構成案に基づき、クリエイターやデザイナーといったさまざまな職種と関わりながら1つの作品を仕上げるのが主な仕事となります。
そんなゲームプログラマーとして現在仕事をしている方の中には、「今より自分の実力を試せる職場へチャレンジしたい」「活躍の場を広げるためにネクストステージへ挑戦したい」という思いから転職活動をされている方もいることでしょう。一方、全くの未経験からゲームプログラマーへの転職を考えている、という方もいるかもしれません。
今回は、ゲームプログラマーに転職する際に重要な鍵となる2つの書類「履歴書」および「職務経歴書」の書き方について詳しく解説していきます。
ゲームプログラマーの転職に必要な書類
ゲームプログラマーに転職するためには、プログラマーとしての「スキル」「経験」「実績」「職歴」はもちろんのこと、自身の人柄やアピールポイントなどを企業へしっかりと伝える必要があります。
それらを企業の採用担当者へ伝えるための手段として必要となるのが、
- 履歴書
- 職務経歴書
- ポートフォリオ
の3点です。
履歴書
履歴書は、応募者の基本データを記入する書類。氏名や生年月日といった個人データに加え、「学歴」「職歴」「免許・資格」「趣味・特技」といった項目を記載します。履歴書はどのフォーマットを使用しても項目がほぼ変わらないため、見やすさや基礎的な文章力、丁寧な筆跡などが重要視されています。
またゲームプログラマーの場合、「どのようなスキルを持っているのか?」「学生時代または仕事上でどんな経験を積んできたのか?」といった点は最もチェックされる部分の1つ。そのため、ゲームプログラミングに関連する資格や経験等は漏れの無いようにしっかり書くようにしましょう。また記載する際、資格や免許の名称は、略語等は使わずに正式名称で書くことがポイントです。
ほとんどの採用担当者は、応募書類が送られてくるとまずは履歴書から目を通します。履歴書の段階で不採用とならないためにも、正確かつ分かりやすく記載することを心がけましょう。
職務経歴書
次に職務経歴書ですが、転職活動をする人の中には「これまで一度も職務経歴書を書いたことがない」という方もいることでしょう。
職務経歴書とは、仕事の経験や業務実績、スキルなどを記入する書類です。履歴書が基本的なプロフィールを書くのに対し、職務経歴書を提出する最大の目的は、自分の経験や能力、人柄などを企業の採用担当者へアピールすることとなります。つまり、「人物像」「会社への貢献度」「スキル」といった点が判断される重要な書類となるため、転職活動に職務経歴書は欠かすことができません。
特にゲームプログラマーの転職においては、職務経歴書を通して
- どんな作品に、どのような立場で携わってきたか
- 様々な職種のメンバーとチームプレイができるか
- 使用した言語やツールにはどのようなものがあるか
- ゲーム制作時に立ちはだかる課題にどう立ち向かったか
といった点を見られているようです。
ゲームプログラマーの転職では「基礎的な技術力」はもちろんのこと、「コミュニケーション能力」「論理的思考能力」「経験や実績」などが重視される傾向にあります。これらのポイントを踏まえたうえで、全体の構成を練ることが大切です。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは、実績をアピールするための成果物を取りまとめたファイルのこと。 ゲームプログラマーの転職では、企業の採用方針にもよるものの、ポートフォリオの提出を義務付けている企業はごく少数です。しかしポートフォリオがあることで、転職活動を優位に進めていける可能性が高くなります。
履歴書や職務経歴書でいくら経験や実績を語っても、「実際にどのような作品を作れるのか?」という点は企業の採用担当者へ伝わりづらいもの。そんな時ポートフォリオがあれば、自分が実際に携わった作品を視覚的に表現できますし、実力やスキルなども同時に伝えることが可能となります。まさに「百聞は一見に如かず」であり、言葉で表現ができなかった細かい部分やポートフォリオから伺える全体の構成力、使用したツールなども瞬時に判断してもらうことができるでしょう。
転職を希望するプログラマーに企業が求めたいこと
ゲームプログラマーの転職に必要な書類がわかったところで、次は「転職希望のプログラマーに企業が求めたいこと」とはどのような点なのか、詳しく見ていきましょう。
企業が転職してくるプログラマーに求めたいポイントは、
- 経験、スキル
- コミュニケーション力
- 論理的思考力
- 向上心
- 企業とのマッチング度合
などが挙げられます。
経験・スキル
ゲームプログラマーへの転職は、経験者が採用されることがほとんどです。
前職がゲームプログラマーでなくても、最低限のプログラミングの知識やPhotoshopやillustratorといったソフトの使用歴などは必ず見られるポイント。企業は「応募者が会社のプロジェクトにどの程度貢献できるのか」という視点で転職者のことを見ていますから、職務経歴書やポートフォリオを通して経験や実績をアピールしたいところです。
ゲームプログラマーになるために絶対に必要となる資格や免許はありませんが、ゲーム作りの現場で実務に携わるのであれば未経験でもある程度の知識やプログラミング経験は必要です。もし個人でゲームやアプリを作った経験があるという方は、書類の段階で自分のスキルがきちんと企業の採用担当者へ伝わるよう、履歴書の自己PR欄や志望動機欄などを利用してエピソードや経験談を書いておくと良いでしょう。
コミュニケーション力
ゲームプログラマーの仕事は、様々な分野のプロフェッショナルにより結成されたチームにて制作を行うケースが多くなっています。そのためディレクターやプランナー、デザイナーなどと意思疎通ができなければ1つの制作物を作り上げることはできません。
スケジュールが変更になったりバグが生じたりと、問題やトラブルが発生することも頻繁にあるため、円滑に仕事を進めていく上でもコミュニケーション力は欠かせないスキルとなります。
よってコミュニケーション力を企業へアピールするために、職務経歴書に記載する経験談には、コミュニケーション力を活かした事例や仲間と共に課題を乗り越えたエピソードなどを盛り込むと良いでしょう。
論理的思考力
ゲームプログラマーには筋道を立ててロジカルに考えていく論理的思考力も求められます。
ゲーム制作の現場において、問題事項が起きることは多々あります。そんな時、場当たり的に対処するのではなく「なぜそうなったのか?」「問題の根本原因は何か?」「どのようなプロセスを踏めば解決できるか?」などを論理的に考え、先を見通し相手にわかりやすく説明する力が非常に大切となります。
また、論理的思考力は文章力にも表れやすいとされています。そのため履歴書や職務経歴書を記載する際にも、文章の構成から文脈(文と文の論理的関係)をあらかじめ考えてから書き出すようにしましょう。
向上心
コンピューター技術やプログラミング技術は今もなおハイスピードで進化し続けています。 新たなソフトが登場したりこれまで考えもつかなかったような革新的な技術が生まれたりと、ゲームプログラマーを取り巻く環境は常に変化し続けており、日々新たなスキルや知識を学ぶ向上心が必要です。
したがって「勉強会に足を運ぶ」「資格を取得する」「スクールに通う」などを通じ、最新テクノロジーや世界の動向に目を向け、自身のスキルを高めていくことが求められます。ゲームプログラマーの世界はかなり激務とも言われていますから、そうした厳しい環境下で己を向上させようとする強い信念も欠かせません。
企業とのマッチング度合い
転職にあたっては、志望する企業とのマッチング度合いも見逃せないポイントです。
たとえば、
- その企業の理念に共感できるか?
- 求められているポジションや条件と自分の希望がマッチしているか?
- 組織が目指している方向性と自分が目指す先が同じか?
- トップが描いているビジョンに共感できるか?
- 同僚にはどのようなメンバーが揃っているのか?
- どんなゲーム、アプリの作品を手掛けているのか?
などの点から、複数のゲーム関連企業を比較・検討してみると、より企業像がハッキリと見えてきます。そこから見えてきた点を具体化し、これまで培ってきたエピソードを織り交ぜながら履歴書や職務経歴書に反映させるのも良いでしょう。
ただし上記のような点に関しては、企業の公式ホームページやWebサイト上の記事、ニュースからは見えない部分も多く、実際にその企業で働いている人から話を聞いてみたり、転職エージェントを通して企業情報を収集してみたりするのも1つの手です。
ゲームプログラマーにエントリーする際にチェックしておきたい履歴書のポイント
ゲームプログラマーの転職にあたっては「志望動機」も重要なポイント。
プログラマーといっても様々な領域があり、どんな分野を担当するかによって使用するツールや言語など、必要となるスキルが異なる場合があります。
そのため「現時点で自分にはどんなスキルがあるのか?」という現在地を知るとともに、企業が転職者に求める条件とのマッチングを行わなければなりません。
企業が転職者に求める条件と転職者のスキルや条件があまりにもかけ離れている場合には、その転職が成立するのは極めて難しいことから、なるべく両者の条件がクロスする点を見つけ、履歴書や職務経歴書上でアピールするようにしましょう。
次の項目では、転職者をタイプ別に分けて「志望動機」の書き方のポイントをご紹介します。
ゲームプログラマーからゲームプログラマーへの転職ケース
- 過去に携わったゲームの経験から得たことや技術的な視点をまとめる
- なぜ別の会社に移ってまでゲームプログラマーをやりたいのか具体化する
- 転職先で新たにチャレンジしてみたいプロジェクト、将来の展望などから意欲を伝える
他業種のプログラマーからゲームプログラマーへの転職ケース
- なぜ他業種のプログラマーから、あえてゲームプログラマーへ転職するのか明確にする
- ゲームプログラマーになって、その企業で何を実現したいのかを具体的に記載する
- その企業に入ってから貢献できるスキル、能力をアピールする
未経験からゲームプログラマーへの転職ケース
- なぜ未経験からゲームプログラマーにチャレンジしようと思ったのか、動機をハッキリ書く
- スキルや経験が劣っても、これから習得する姿勢・向上心・熱意などを伝える
- もし独学で作ったアプリやゲームなどがあれば、そのエピソードも添える(ポートフォリオも添付する)
いずれの場合も、なぜその企業へ転職したいのか?を明確にしておくことが重要です。 また志望動機は、職務経歴書や面接などでも触れられるところですから、一貫性を持った内容にすることを心がけましょう。
ゲームプログラマーへ応募する際に気を付けたい職務経歴書の書き方
ゲームプログラマーの転職に必要な職務経歴書には、「職務経験、勤務年数」「実績」「スキル」「表彰歴・受賞歴」「自己PR」といった内容の記入が必要です。先述したように、職務経歴書は転職の成功を左右する重要な書類ですから、「この人に会ってみたい!」「もっと話を聞いてみたい!」と思えるような魅力的な文章や表現を目指しましょう。
ちなみに職務経歴書の書き方には、下記の3つの方法があります。
編年体
過去から順番に経歴を記入する形式。一貫して同じ業種(プログラマー)を経験してきた人、1つのゲーム会社でプログラマーとして長年実績を積んできた人などが経歴をアピールする際にオススメの形式です。 逆に様々な職歴を経験している人には、キャリアに一貫性が無いと見られてしまいがちなので不向きと言えます。
逆編年体
最新の職歴から過去の職歴の順に記入する形式。最新の職歴で大きな実績やアピールポイントがある場合にオススメです。「流行のゲームに携わった」「最近表彰された」といったエピソードを記入することで、即戦力をアピールすることができます。今の自分のスキルや能力にフォーカスして評価してもらいたいという人には最適かもしれません。
キャリア式
時間の経過にかかわらず「複数の経歴」や「仕事で得たスキル」ごとにまとめて記入する形式。
複数の転職歴がある人、スキルを中心にアピールしたい人などに向きます。 ゲームプログラマーの場合は「プログラミング言語の使用経験」「コミュニケーション力」などのスキルごとに記入するのも良いでしょう。ただし実績や経験、スキルが少なすぎる人は避けたほうが無難です。
このように一言で職務経歴書と言っても書き方はさまざま。それぞれにメリットデメリットがあるため、自分に合った方法・自分をよりアピールできる方法を選んで記入しましょう。
職務経歴書を記入する際のポイントとしては、
- 具体的なエピソードを添える中で、自分の強みやゲーム制作の経験・実績などをアピールする
- 過去のゲーム制作・プログラミング等に関する実績や職務内容などはなるべく定量的に分析して記入する
- ポジティブな表現で、ゲーム業界に関する興味関心や最新テクノロジー習得への向上心などを伝える
- ゲーム制作に携わった経験や自分の人生などにおける「重要なポイント」「伝えたい部分」にフォーカスする
といったことが挙げられます。
「有名な作品に携わった」「大きな賞を受賞した」など誰もが目を引くような実績をアピールも重要ですが、どちらかというと、チームメンバーとのエピソードを披露したり、失敗から立ち上がった経験を盛り込んだりといった工夫をし、単なる「事柄」のアピールにならないように気を付けましょう。
まとめ
今回の記事では、ゲームプログラマーの転職に求められる「履歴書」と「職務経歴書」の書き方について説明してきましたがいかがでしたか?
ゲームプログラマーの転職に必要な「IT・web領域の幅広い知識」や「コミュニケーション力」などを企業の採用担当者へ伝えるためには「履歴書」「職務経歴書」「ポートフォリオ」の3つの書類の存在は欠かせません。これらを丁寧かつロジカルに分かりやすく記載し、書類審査を突破することが、ゲームプログラマーへの転職を勝ち取る近道となります。
今回の記事で取り上げた「履歴書」「職務経歴書」の書き方を参考にして、転職活動の成功を引き寄せてみてくださいね!
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