ゲームプログラマーの年収は高い?年齢別・雇用形態別の収入などを解説
ゲームプログラマーの年収は高い?年齢別・雇用形態別の収入などを解説
ゲーム好きであれば、ゲームクリエイターになってみたいという人は多いのではないでしょうか。中でも需要が高まっているゲームプログラマーは、他の職業に比べて年収が高い傾向にあります。本記事では公的なデータをもとに、ゲームプログラマーの年収を詳しく紹介します。年収を上げる方法や将来性についても解説しますので、参考にしてください。
目次
ゲームプログラマーとは
ゲームプログラマーは、ゲーム開発のプログラミング部分を担当する職業です。Javaをはじめとしたプログラミング言語や、Unityといったゲームエンジンを使ってゲームの開発に携わります。
ディレクターやデザイナーが構想したシナリオや演出などの仕様に従い、プログラミングを行いゲームが作動するようにします。
なおゲームプログラマーは公的な分類では、ソフトウェア作成者に該当する職業です。以降では、ゲームプログラマーの年収について職業分類上のソフトウェア作成者を参考に紹介します。
ゲームプログラマーの収入について
ゲームプログラマー(ソフトウェア作成者に属する)について、賃金構造基本統計調査をもとに平均年収や月収を紹介します。また大手ゲーム会社の初任給も紹介しますので、参考にしてください。
平均年収
厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査の統計情報」によると、ゲームプログラマー(ソフトウェア作成者に属する)の全国的な平均年収は523万円です。このうち、年間のボーナスは約99万円になります。なお平均年収および年間のボーナスは、従業員数10人以上の企業に勤める方の収入を基に算出しています。
さらに国税庁が発表した「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本で働く給与所得者の平均は433万円です。そのためゲームプログラマーになると、平均よりも高い給与をもらえる可能性が高いと考えられます。
参照:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(e-Stat:政府統計の総合窓口)
参照:令和2年分 民間給与実態統計調査(国税庁)
平均月収
令和3年賃金構造基本統計調査によると、ソフトウェア作成者の平均月収は約35.3万円です。月の平均労働時間は167時間であるため、時給換算すると2,116円になります。なお平均月収および時給は、従業員数10人以上の企業に勤める方の収入を元に算出しています。
初任給
ゲーム業界大手の任天堂とスクウェア・エニックスで受け取れる初任給を紹介します。さらに「令和元年 新銀構造基本統計調査結果」に記載されている日本における初任給の平均も紹介するので、比較する際には参考にしてください。
任天堂※1 | スクウェア・エニックス※2 | 令和元年賃金構造基本統計調査結果※3 | |
---|---|---|---|
大学院博士卒 | 258,000円 | 個別に設定 | 記載なし |
大学院修士卒 | 243,000円 | 290,000円以上 | 238,900円 |
大学卒 | 233,000円 | 280,000円以上 | 210,200円 |
高専・短大・専門卒 | 211,500円 | 270,000円以上 | 183,900円 |
(参考※1:2024年度 新卒採用情報 募集要項|任天堂)
(参考※2:募集要項 | 2024年度新卒採用 | SQUARE ENIX –RECRUITING-|スクウェア・エニックス)
(参考※3:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況)
任天堂の初任給は2022年の実績を紹介しています。またスクウェア・エニックスの欄に記載した初任給は、2022年10月3日現在スクウェア・エニックスの募集要項に記載されている初任給です。
以上の表から、大手ゲーム会社に就職した場合は平均を上回る初任給を受け取れることがわかります。
【条件別】ゲームプログラマーの平均年収
ここでは「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとにゲームプログラマーの平均年収を条件別に紹介します。年齢と企業規模、地域、雇用形態の条件に分けて解説するので、参考にしてください。なお前項と同様に、ゲームプログラマーが含まれる職業分類「ソフトウェア作成者」の年収をもとに解説します。
年齢別の平均年収
ゲームプログラマーの年齢別における平均年収は次のとおりです。
年齢 | 年収 |
---|---|
全年齢 | 523万円 |
~19歳 | 218万円 |
20~24歳 | 322万円 |
25~29歳 | 408万円 |
30~34歳 | 501万円 |
35~39歳 | 578万円 |
40~44歳 | 644万円 |
45~49歳 | 632万円 |
50~54歳 | 653万円 |
55~59歳 | 702万円 |
60~64歳 | 537万円 |
65~69歳 | 461万円 |
70歳~ | 359万円 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(e-Stat:政府統計の総合窓口)
※「ソフトウェア作成者」をゲームプログラマーとして掲載
2022年現在、企業で働く従業員の定年は60歳です。つまりゲームプログラマーとして働くと、定年までは年収が増加を続ける傾向にあるといえます。
企業規模別の平均年収
ゲームプログラマーの企業規模別における年収は次のとおりです。
企業規模(従業員数) | 年収 |
---|---|
10~99人 | 449万円 |
100~999人 | 514万円 |
1000人以上 | 627万円 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(e-Stat:政府統計の総合窓口)
※「ソフトウェア作成者」をゲームプログラマーとして掲載
企業規模が大きくなるほど、年収も高くなる傾向です。そのため高所得を目指すのであれば、規模の大きな企業への転職を検討することも1つの手段と考えられます。
地域別の平均年収
東京都で働くゲームプログラマー(ソフトウェア作成者)の年収は平均537万円で、大阪は平均504万円です。全職業の平均年収は東京が約437万円で、大阪は約392万円であるためゲームプログラマーの年収は高い傾向にあります。
参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別
参考:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況(「表1~表12、図1~図8」内の第7図)
雇用形態別の平均年収
ゲームプログラマーは「情報通信業」に属します。情報通信業における雇用別の平均年収は、正社員の場合は456万円で、正社員以外は約350万円です。つまり正社員と正社員以外とでは年収に関して約100万円の差があります。正社員以外とは契約社員やパートタイマー、アルバイト、派遣社員などの働き方を指します。
参考:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況(「表1~表12、図1~図8」内の第7図)
ゲームプログラマーが収入を上げる方法
スキルを磨いたり、副業をしたりするとゲームプラグラマーとして年収アップが期待できるでしょう。また現在の職場で待遇に不満がある場合は、転職を検討することも1つの手段です。ここでは、ゲームプログラマーが収入を上げる方法について解説します。
スキルを磨く
ゲームプログラマーの年収は、経験やスキルに大きな影響を受けます。ゲーム作成の要となるクリエイター職であるため、制作実績も重視されるでしょう。
そのため実績がなければ、期待通りの待遇を受けられないだけではなく、転職自体が難航する可能性があります。では、実績がない場合はどうしたらよいのでしょうか?たとえば、自分でゲームを制作し、未経験者でも応募可能なゲーム制作会社に自分の作品を見せて転職を目指してみるのも一つの方法です。そこで実務の経験を積んで、スキルを磨くとよいでしょう。
また時間や資金に余裕があれば、ゲーム制作を学べる専門学校・短大・大学等の各種学校を利用することも検討してはいかがでしょうか。学校は、ゲーム制作における知識やスキルを体系的に学べる点がメリットです。
副業をする
ゲームプログラマーとして収入をあげたい場合は、副業も1つの手段です。プログラマーのなかには、仕事休みの週末に個別の案件を受注して副業をする人が増えているようです。
すぐに副業をはじめたい場合は、クラウドソーシングを利用すると便利です。週末に本業以外のプログラミング実績を積むことで、スキルアップも期待できます。
転職をする
現在すでにゲームプログラマーとして働いている人で収入に不満がある場合は、転職をして収入アップを目指してみてはいかがでしょうか。ゲームプログラマーに限らず、転職後に収入アップする人は多いようです。転職後に収入が増加した人の割合を示すと次のとおりです。
3割以上の増加 | 7.2% |
---|---|
1割以上3割未満の増加 | 20.6% |
1割未満の増加 | 11.1% |
合計(増加した人の全割合) | 39.0% |
(参考:令和2年転職者実態調査の概況)
転職した人の中で収入が増加した人の割合は39%と4割近くにのぼりました。ゲーム業界やエンジニア業界にはさまざまな職種があるため、職種を変えることで年収がアップする可能性もあるでしょう。
ゲームプログラマーの将来性
もはやゲームは単なる娯楽ではなく、今後はeスポーツなどの発展でさらなる市場規模の拡大が期待されています。ゲームの市場規模が拡大すると、ゲームプログラマーが活躍する機会も増えるでしょう。
一またVRやARなどの先端技術を使ったゲームも多数開発されており、ゲーム業界でのイノベーションによる市場拡大も期待されています。
まとめ
ゲームプログラマーは、職業分類ではソフトウェア作成者に該当します。「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、ソフトウェア作成者の平均年収は523万円です。日本で働く給与所得者の年収を上回るため、ゲームプログラマーは高収入の職業といえるでしょう。
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