世界中の人々にゲームの楽しさを!大ヒットタイトルを支えるゲーム制作者たち 株式会社カプコン 社員インタビュー 第1弾(1/2)
世界中の人々にゲームの楽しさを!大ヒットタイトルを支えるゲーム制作者たち 株式会社カプコン 社員インタビュー 第1弾(1/2)
──:伊津野さんが『カプコンで働く』ということを選んだのはどうしてですか?
伊津野氏 僕は94年に新卒で入社しました。できれば「遊び」を仕事にしたかったので、おもちゃ、ゲーム、スポーツ会社を中心に受けていました。この先30年以上働くと考えると、自分が楽しいと思えるものでないと続かないじゃないですか。ゲーム業界は選択肢の一つで、もし受かったら「ゲームデザイナー」になれるのかなという期待とともに受験。とはいえ、ゲーム会社の中でも、はずれのないゲーム会社に入りたかった。当時、僕の頭の中では、カプコンのゲームというのは中古屋さんで買うにしろ、新品で買うにしろ、はずれがないというイメージがあって安心だったんです。
──:入社する前に、デザインやプログラミングの知識はお持ちでしたか?
伊津野氏 入社前、僕は特に強みになるデザインやプログラム関係のスキルというのはなかったのですが、趣味で絵を描いたり、学生時代は学園祭実行委員長をやったり、映画をつくったり、演劇をしたり……といろいろな形のモノづくりにはずっと関わってきました。ディレクターとプロデューサーという2職種は、目に見える「手に職」がなくても構わないんです。高いスキルをもってモノづくりをバリバリやってきた経験が必須というわけではないんですよね。
──:『ディレクター』とはどういう仕事ですか?
伊津野氏 端的に言うと、ゲームのマスターのクオリティーに責任をもちつつ、きっちりと納品すること。それが仕事です(笑)。でもね、それをわかっていない人が多い気がします。ゲームは、ユーザーに届けてなんぼなんです。どれだけ面白いものをつくったとしても、納品できなかったら意味がありません。クオリティーの高い面白いゲームを、ユーザーに届けるまでが仕事です。
──:『ディレクター』の仕事をする上で苦労すること、そしてやりがいを感じることは何でしょうか?
伊津野氏 チームでモノづくりをするのですが、メンバー一人ひとりがこだわりのあるクリエイターであり、当然、それぞれが「一番いい」と思っているものを出してきます。でも、最終的には一つのものに集約しないといけないので、ディレクターがそれぞれの提案をポキポキと折っていかないといけない。誰もがチーム作業ということを理解している上でのことですが、一人ひとりの思いを尊重しながらもその調整をしていくのにはやはり苦労しますね。 やりがいを感じることは、自分が考えたもの、よいと思うものをユーザーの皆さんに味わってもらえること。そして、アーケードゲームでもコンシューマーゲームでも「楽しかった」とか「人生が変わった」なんて声も届くなど、フィードバックがあることが励みです。
──:岡部さんは中途で入社されたそうですね?
岡部氏:僕は2010年に中途入社しましたが、それまで勤めていた会社もすべてゲーム業界でした。一般的な会社と比べると、遅刻しても怒られなさそうとか自由度が高い業界というイメージでしたね。実際にはもちろん怒られるんですけどね(笑)。僕は子どもの頃からコンピューター関係のものにずっと興味があり、モノづくりに関わる仕事がしたかった。音楽や映像やシナリオ、そのすべてのモノづくりに関われるのがゲーム。何かをつくるなら、ゲームをつくりたいという思いがありましたね。
──:前職もゲーム関連だったのでしょうか?
岡部氏 僕は5社ほど渡り歩いていて、職種も若干変わっています。最初はプランナー、次は3Dモデラー、その次は一部プログラムも書くなど何でもしていましたね。それから、英語を学ぼうと仕事を辞めてカナダに移り住んで、1年後に帰国してカプコンの子会社「K2」にプランナーとして入社。海外パブリッシャーの仕事に興味があったので、次はそういう仕事ができるところへ転職しました。カプコンに入るまでに随分と長い道のりがありましたが、「バイオハザード」や「デビルメイクライ」に衝撃を受けた世代ですし、関西でレベルの高いゲームをつくる仕事ができる会社はカプコンだという意識がありました。関西人なので関西に帰ってきたらカプコンに入りたいとはずっと思っていたんです。そうこう考えている時にタイミングよく求人があり、入社に至りました。
──:『プロデューサー』というのはどういう仕事なのでしょうか?
岡部氏 会社によってプロデューサーの定義は異なるかもしれませんが、一般的には人とお金とモノを管理する仕事といえます。実務的には、雑用も含めてなんでもしますね。カプコンでは、タイトルに企画から深く関わる場合もありますし、とりわけ戦略的なタイトルの場合はシビアに数字のことを考える必要もあります。とにかく、ゲームに幅広く関われる仕事で、希望すればなんでもできます。個人的には、プロジェクトを成功させるという責任をもって、タイトルと開発とユーザーを結びつけることがプロデューサーの第一の仕事なのではないかと、最近は感じています。僕自分もカプコンのタイトルのファンでしたし、そういうファンをさらに増やしていきたい。「カプコンのゲームは当たりしかない」と思い続けてもらえるよう、面白いタイトルをリリースしていきたいですね。
──:『プロデューサー』の大変なところ、達成感を感じるところはどんな場面ですか?
岡部氏 大変なことですか? 1から10まですべてが大変ですね(笑)。たとえば、これを描きたい、これを作曲したいという具体的なモノづくりの場合は、明確な作業を経て、短い期間でゴールがあり、成果物のクオリティーに満足するというタイミングがありますが、プロデューサーの仕事はそういった結果がずっと出ないままに続いていきます。もちろん、タイトルを販売してどれぐらいのユーザーの方に買っていたいだたかという一つの大きな評価は出るのですが、そこまで到達する前に明確な成果を上げることが難しい。その期間、いかに気持ちを途切れさせずに仕事をするのかが課題ですね。やりがいをどこで見いだすかは難しいのですが、ユーザーから楽しかったという声をいただいたり、関わったタイトルのゲームで誰かが遊んでいる姿を見ることなどは、大きな報酬にはなっていると思います。
──:伊津野さんが入社後、初めて参加されたタイトルは何でしたか?
伊津野氏 僕が初めて参加したのは、入社3ヶ月目ぐらいに、プランナーとして関わった「クイズアンドドラゴンズ」というアーケードゲームでした。スタッフロールに名前が乗るという喜びと、自分が今ここで打ったテキストがそのまま世の中に出るというプレッシャーを感じながら仕事をしたことを覚えています。出題するクイズを社内中の人に発注して3000問準備したのですが、インターネットのない時代にクイズの解答が合っているかどうかを自分で調べて確認しないといけなくて(笑)。さらに、難易度設定もしないといけない。プランナーには、ゼネラリストとしての能力や知識が求められるのだと改めて実感させられましたね。そのゲームが無事に世に出た後は、「職業はゲームデザイナーです」と言えるなと嬉しい気持ちになりました。
──:岡部さんが初めて参加されたタイトルは?
岡部氏 僕がカプコンで最初に参加したのは「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」。カプコンといえば「バイオハザード」というイメージがあったので、それに関われるなんてとすごく嬉しかった記憶があります。でも、カナダのゲーム会社と海外で開発するプロジェクトで、難易度が非常に高かった。僕はアシスタントプロデューサーという肩書きでの参加で、日本とカナダのスタッフ間の通訳や文書の翻訳からほぼ毎月の海外出張まで、楽しくも慌ただしい毎日。従来のタイトルとは全く違うスタイルのゲームであり、海外でつくるという挑戦的なことをする中で、どのようなゲームにしていくかという深いところまで関わらせてもらったので大きなやりがいはありました。
──:これまでで一番印象に残っている仕事はなんですか?
伊津野氏 入社して約20年ですが、一番印象に残っている仕事は、「ドラゴンズドグマ」という完全新規オリジナルタイトルのRPGゲームをつくったことです。完全新規オリジナルタイトルをつくれるチャンスは、カプコンにかぎらず今のゲーム業界ではあまりないこと。僕は20年以上この会社にいますが、ゼロから立ち上げたタイトルは2本しかありません。「ドラゴンズドグマ」はその2本のうちの2本目でした。ずっとアクションRPGをつくりたくて、ずっと温めていたアイデアを実現できたので、めちゃくちゃ苦労もしましたが、むちゃくちゃ楽しかったですね。
岡部氏 ぼくはまだそれほどたくさんのタイトルには関わっていないのですが、「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」の次に、「バイオハザード リベレーションズ2」でプロデューサーをさせていただきました。ほぼ最初から作り上げたタイトルで、バイオハザードのフランチャイズの中では、初めてエピソディック配信にチャレンジするというものでした。エピソディック配信というのは毎週1話ずつ配信するというものです。制作陣には知識や経験のあるスタッフが多くて信頼もでき、出来上がりも面白いものになりました。でも配信方法が斬新すぎたので、配信をどうすればいいのかというところから話を詰めるなど、ゲームの本編だけでなく提供方法まで関わらせてもらったのが僕自信も非常に面白かったですね。
──:海外の企業と一緒に開発するというのも、カプコンならではの挑戦ですね。
岡部氏 国内景気があまりよくないので、事業規模にかかわらずタイトルの立ち上げは難しい時代にありますよね。本来は数打って当てるというのがいいのですが、数打つのを考える時代というか……。そんな中、カプコンという会社は今、グローバルに新しいチャレンジができる日本でも数少ないゲーム会社じゃないでしょうか。
伊津野氏 会社に世界的なヒット作が何本もあるということは、余力があるということ。もしその柱がなければ新しいチャレンジにも慎重になっていたかもしれませんね。だから、強力な柱があるというのはうちの会社の大きな強みでもあります。
──:今日はありがとうございました。次回は現在募集中の職種について詳しく伺います。
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