セクションを越えた濃密なゲーム作りに挑戦できるゼニマックス・アジアのゲーム開発スタジオ Tango Gameworksクリエイター座談会 後編

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セクションを越えた濃密なゲーム作りに挑戦できるゼニマックス・アジアのゲーム開発スタジオ Tango Gameworksクリエイター座談会 後編

セクションを越えた濃密なゲーム作りに挑戦できるゼニマックス・アジアのゲーム開発スタジオ Tango Gameworksクリエイター座談会 後編

前編に続き、Tango Gameworks(ゼニマックス・アジア)で働くクリエイター4人による座談会をお届けします!

Tango Gameworksが重視する“クオリティ”とは?

――お話を伺っていると、最近はAAAタイトルを作っているような大きいスタジオだと分業が進んでる印象がありますが、Tango Gameworksさんは必ずしもそうじゃないということでしょうか。

木村雅人氏

そうですね、良くも悪くも。セクションを越えて意見を出しあうっていうのは日常的にやっていることです。ひとつ例を挙げると、アニメーションチームのリーダーが面白い企画を思いついて、それを三上にプレゼンしたところ、面白いじゃないか、やろうとなりまして。その時に三上から、「ディレクターやってみる?」と聞かれ、アニメーターからディレクターになった、なんてエピソードがリアルにあります。

飯塚康洋氏

AAAのような規模のタイトルを作っているというよりは、もうちょっと小さくても芯があるゲームを作りたいという感覚ですね。そういうタイトルをいくつもこのスタジオで生み出していきたいっていうのは、私たちも三上もイメージしていることなので。

――外から見てると『サイコブレイク』シリーズはまさにAAAっていう雰囲気のゲームかなと思うのですが……

木村雅人氏

『サイコブレイク』なんかは確かにAAAとして作ってはいるんですけど、作り方自体はわりと昔ながらの、泥臭い作り方だったりします。そこも三上の考えているTango Gameworksのひとつの進み方というのがありまして、ハリウッド的なものづくりで海外と真正面からやりあってしまうと、人数的な問題や予算でなかなか難しい。だから『サイコブレイク』であったり、いま飯塚たちがやっている発表前の作品もそうなんですが、やっぱりTango Gameworksにしか生み出せない、独特のスパイスみたいなものが効いているゲームを作っていこうと思っています。

木村氏と菊池氏
菊池公瑛氏

ただ『サイコブレイク』はAAAタイトルに見えるとおっしゃっていただいたように、クオリティ面で妥協しないというのは大前提でやっています。情報量とか単純な物量では本当に大きな規模で開発している会社には敵わないけど、ある程度凝縮された空間のクオリティや、遊びの濃密なバランスとかには、我々が今できる規模で全力集中して作っています。そこがこのスタジオの特徴であり、作り方なんだろうと感じています。

――ゲームにおける“クオリティ”って、かなり多くの意味を内包している言葉だと思うのですが、ご自身がTango Gameworksで働くうえで要求されている、“クオリティ”はどういうものとイメージしていますか?

飯塚康洋氏

私はゲームのクオリティとは、ユーザーがプレイして楽しいということが大事。グラフィックはすごく綺麗だけどゲームとしてイマイチよりは、背景アーティストとしてグラフィックはもちろん大事なのですが、ユーザーに届けるゲーム体験が面白いかをしっかり意識して作り上げていくことがクオリティだと思います。

菊池公瑛氏

私もユーザー体験が一番大事なクオリティだなと思っているんですけど、我々がそのゲームで一番大事にしているポイントというのもあるので、そこを楽しんでもらうことも重要だと思っています。すごく乱暴にいうと、ゲームって我々のエゴで作っている部分が少なからずある。でもそこはどうせ作るなら我々が大事にしているところをとことん煮詰めて、お客さんに、さあどうだ、このゲーム面白いだろう?って提示して、お客さんの判断に委ねるというのも大事かなと思いますね。なので僕の場合は、そのゲームで大事にしている点をいかに突き詰めているかも、クオリティを上げるために重要と思っています。

畠山耕一氏

私の場合はゲームのジャンルによっても違うと思うんですけど、ユーザーの心が何かしら動くものを提供したいというのはありますね。未知の体験じゃないですけど、心を動かすものってなんだろうと考えて、それがゲーム内で実現できたときが、クオリティが出せたときなのかなって感じがしますね。

木村雅人氏

やっぱりお客さんに喜んでもらおうっていうのが根本にありますよね。私が次のステップとして考えていることは、「この体験は、あそこのスタジオで作ったゲームでしかできないよね」と思ってもらえる作品を作り出すこと。これができると、すごく強いスタジオの未来を作っていくんだろうなと思いますね。「Tango Gameworksのゲーム体験ができなくなったら困る!」って言ってもらえるといいですよね。

畠山氏と飯塚氏

福利厚生や働き方は外資らしい(?)スタイル

――転職を考えている方向けに、労働環境や福利厚生の面についても教えてください。

木村雅人氏

いまTango Gameworksは、残業や休日出勤は基本的にはせず、仕事をするときはきっちりと集中してやる、休む時はしっかり休むところを大事にしています。ムチャな環境で作って体調を崩すたりするのではなくて、やっぱり万全な状態でいいゲーム作りをしてほしいですから。

――そこは“泥臭い”とおっしゃっていたゲーム作りとは違って、外資メーカーっぽくメリハリが効いていると?

木村雅人氏

はい。その辺はしっかり整備されている会社だなあと思います。福利厚生もちゃんとしていますし。手作り感の強いところもあるんですけどね。朝ご飯が出るとか(笑)。日替わりでおにぎりだったり、パンだったり、フルーツの盛り合わせだったりが食べられます。

菊池公瑛氏

細かい話だと、去年度のある時期からマッサージの方が出張で来てくれるようになりました。予約をしておけばタダでマッサージが受けられるんですよ。あとは健康増進という意味では、ジムでかかった費用の一部負担してくれたりもします。私はTango Gameworksが4社目なのですが、福利厚生でいうと圧倒的にいまが充実しているなと感じています。

飯塚康洋氏

あと勤務時間はフレックスなので、自分のペースで働けますね。私用で時間を使っても、後から補うこともできます。また各種セミナーの参加も意図がしっかりしていればかなり許容してくれます。

木村雅人氏

仕事以外の時間はけっこういろんなことを楽しんでいる社員が多いと思いますね。休日にロードバイクに乗ったり、バスケやサッカーをやったり、なぜか金曜日の夜に集まってプラモデルを作るとか。

菊池公瑛氏

ウチのスタッフは普通の企業では珍しいぐらいに、休日に会社の同僚と遊ぶんですよ。そういうのも珍しいと思います。

――その辺は仕事の段階でセクションを越えて対話を重ねてゲームを作っているからって点も大きいのかもしれませんね。

菊池公瑛氏

そうですね。それもあって仕事においても意思疎通がより効率的になりますし。休日に会ったときにしかできない話もできるような関係にもなるので、非常に仕事はしやすいです。

オフィス風景

開発中のタイトルについてTango Gameworksが目指す未来とは?

――開発中のタイトルについてももう少しお聞きしたいのですが、現時点で制作が発表されているのは『GhostWire: Tokyo』の1本ですが、今日お話を伺っていると、他にも開発中のタイトルがあるということですよね。先ほど話に出たアニメーターさん主導のゲームもあるようですし。

木村雅人氏

はい。少なくとも『GhostWire: Tokyo』とは別のプロジェクトがいくつかあります。

――『サイコブレイク』シリーズのイメージが強いので、Tango Gameworksさんは全チームで1本に集中してゲームを作り上げるスタジオなのかなと思っていたのですが、必ずしもそうではない?

木村雅人氏

三上真司が立ち上げたゲームスタジオで、最初に作ったのが『サイコブレイク』だったので、「いわゆるサバイバルホラー系しか作らないスタジオでしょっ」て思われがちなんですが、全然そんなことはないんですよ(笑)。『GhostWire: Tokyo』はスーパーリアルな方向という意味では『サイコブレイク』シリーズが踏襲されているような雰囲気なんですが、いま飯塚や畠山が作っているタイトルや、先ほど話に出た元アニメーターがディレクターをやっているタイトルは、いままでのTango Gameworksからは想像できないようなゲームです。なのでこれからのTango Gameworksは、バラエティーに富んだラインナップを制作して行くと思っていただきたいのですが、詳しいことはまだ言えない(笑)。

飯塚康洋氏

全然違います。(『サイコブレイクシリーズ』とは)180度違うっていってもいいぐらい。

――では、スタジオ名を伏せて世に出したら、Tango Gameworksさんのゲームとは思われないぐらい雰囲気は違うと?

全員

(全員)絶対思わない!(笑)。

菊池公瑛氏

いずれ発表したときに、いままでTango Gameworksのゲームをやってきた人たちが、どんな反応をするのか非常に楽しみなんです。

セクションを越えた濃密なゲーム作りに挑戦できるゼニマックス・アジアのゲーム開発スタジオ Tango Gameworksクリエイター座談会 後編

――最後にTango Gameworks(ゼニマックス・アジア)に応募、転職を検討している方にメッセージをお願いします。

畠山耕一氏

ゲーム開発といっても、ただ黙々と与えられた作業をしているだけなのは嫌な人ってけっこういると思うんですけど、そういう人や、いろいろな人とコミュニケーションを取ってひとつの作品を作りたいという人には、向いている会社だと思います。そこは本当に推して行きたいと思っています。

飯塚康洋氏

コミュニケーションを取りながら作っていくことを主軸に、本当にゲーム開発をしたい人、ユーザーを楽しませるためにアイディアをどんどん出したいという人を待ってますっていう感じですかね。新人にいきなりガツンと仕事を任せることもある位なので、入社してすぐの時期でもゲーム開発を体験できるオープンなスタジオでもあるので、ぜひぜひ検討してみてください。

菊池公瑛氏

たとえば開発環境が大きすぎたりして分業化が進み過ぎてしまって「いま自分が作っているこのグラフィックって何に使うんだろう?」と疑問に思ったり、「何を作っているかわかれば自分でももっといいアイデアが出せるのに!」って思っている人には、ウチはある意味最強の環境になると思うんですよね。そういう状態で悩みつつもの造りをしている人がいたら、まず応募していただければと思います。

木村雅人氏

黙って待っているだけではあまり仕事が来ない会社ではあると思います(笑)。ただ、これがやりたい、あれがやりたい、こんな面白いアイデアがあるという人はそれを提案していって、仕事を掴みに行くことができる会社です。そういう人には楽しいと思います。あとは大きな視点でいうと、「世界中のユーザーの楽しみのために、世界に向けてゲームを作りませんか⁉」ということと、これはもう三上の言葉をそのまま言いますけど、「ゲーム作りってすげー面白くてすげー大変」です。だからこそ本気で、しんどいからこそ楽しんで作りましょうっていうスタジオです。あとはそこに共感してもらえる方がおられたら、ご応募いただけるとうれしいですね。

前編はこちら

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ゲーム業界チーム
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創業当初から業界のトップ企業との信頼関係を築いてきた専門チーム。ゲーム業界に詳しいメンバーが中心に第一線で活躍する現役クリエーターの方々へのインタビューやイベントレポート、業界関連記事をお届けします。